恋愛喫茶店 ~罪と一緒にスイーツを~
トレイの上にランチを乗せてもらって、席を探す。この時間帯は、人が多すぎて座れないことも結構ある。
端っこのほうに、ちょうど2人分の席があいていた。窓側のせいだろうか、すきまから風が吹いているようで、少し寒かった。
ようやく、トレイをテーブルに置いて、ほっとする。
「それで、どうしたんだ?いきなり集合って?」
パキリと割り箸を割って、からあげに手をつけた。
「今日は、卒論の資料をお互いに集めて、まとめようって約束した日だったでしょ?」
ぽとり、とご飯の上にからあげが落ちた。
大学には卒業論文というものがある。完成させないと大学を卒業することができない。
「……すいません、来週でいいですか?」
箸を置いて、姿勢を正して、深く頭を下げる。悪いことをした政治家の記者会見のようだった。