海までの道 ~あなたと私の距離~


「わかな、和奏、何怖い顔してるの?グランド行くよ」


クラスメートに声をかけられ、ハッとした。


グランドには、ジャージ姿のみんながいた。


いつものように準備体操していても、私は柚葉が心配でならなかった。


「えー、こんなの跳べない。高すぎるよ。」


柚葉は友達とハードルを並べながら、ふざけて言い合っていた。


「井上、顔色悪そうだな。無理しなくてもいいぞ」


「大丈夫でーす」



…タカ先…やっぱり柚葉の様子が違うことわかるんだね。



ピーと笛の合図がなって、走り始めた。


1台目のハードルを跳ぼうとした時、柚葉が崩れるように倒れた。


『ゆずはー』


すぐにかけより声をかけるけど反応がない。


「動かすな、井上、聞こえるか。誰かすぐ保健室へ連絡して、救急車も呼んでもらって」


私とタカ先が付き添い、柚葉は病院へ運ばれた。


『先生、柚葉は…』


「大丈夫。心配するな。これから精密検査するって病院の先生が言ってたしな。あいつ、疲れた顔してたからな。なんか悩んでたんじゃないかな。そっちのほうが心配だよ」
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