向日葵の事情

「…?」

「あー、わりわり!行こうか!」

あ…あたしの手をスルーして行っちゃった…

成程、思春期梓は女の子に触れたくないのかな?



晴哉のバイクの後ろに乗せてもらい
今日も倉庫に行った


「「「「はよっす!」」」」

下っ端たちも元気良さそう

「おはよう、みんな」

あたしは快く下っ端に挨拶を返す


ボッ


そんな音が聞こえたかくらいに
みんなの顔が急に赤くなる


え…下っ端たちは女から挨拶も返されたくないくらいに思春期なの?

結構凹む…


グイッ

「早く二階行く」

「え、ちょっと晴哉不機嫌…?」

あたしは晴哉に手首を掴まれて
急いで背中を追った


この時あたしは、晴哉が下っ端たちを睨んでたことも、下っ端が晴哉を見て青ざめてたことも、幹部のみんなが必死に笑いを堪えてたことも知らない

知る由もない
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