姿も見えずに糸電話
毎日電話をかけてくれる不思議な彼。
でも時間はバラバラで、
私が電話に出れないときもある。
そんなときは留守電に、

「ごめんね」

っと、
やさしく、
短く、
何故か少しかすれた声で
録音されていた。

その声を聞いたとき、私は残念に思う。

電話のチャンスは一日一回だから。




リダイヤルしたい。

非通知なので、かけ直すことはできない。
とても一方的。

私は彼からの電話を待ち遠しく思う。

電話の内容は様々で、
宇宙のこと、
真理のこと、
宗教・科学・動物・・・・

普段の生活には関係ないことばかりで、
夢があふれていた。


何処に住んでいるの?
何で非通知なの?
あなたは誰?

尋ねようと思ってたのに、出来なかった。




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