彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
「なんか……ごめんな。今日何も言わずにいきなり彼女人形を連れてきちゃって。驚かせたよな」


上辺だけでなく本心だった。


今も病院で眠っている結音とそっくりな人形を見せられれば、誰でも驚くだろう。


それは俺の配慮が足りなかったことになる。


美奈はチラリと諒を見る。


諒は美奈の背中をポンッと叩いた。


「……あたしこそ、ごめん。びっくりしちゃって……」


そう言い、美奈は俺の手を握った。


諒は空気をかえるようにパンッと手を叩き、ベンチから立ち上がった。


「さっ! どこに遊びに行く?」


「俺、腹へった」


「あたしたちお腹いっぱいだよ」


「でも俺、ラーメン食いたいんだけど」


「またラーメン屋かよ!」


諒が大きな声でいい、公園に笑い声が響いたのだった。
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