片想い連鎖
「はい、コレ」



高梨くんがいきなり私に長方形のケースを渡してきた。


「うまかったよ」


「あっ」


レモンのハチミツ漬け…


昨日帰る前にほのちゃんに渡していたんだ。


「食べてくれたんだ」


「大和も食ってたよ」


大和という言葉に私は敏感に反応した。


その姿を高梨くんは見逃していなかった。


「大和と…またなんかあった?」


「ううん、何にもないよ。
もともとほんとに何にないし…」
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