異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。



ちなみにこの世界での呪い師は呪いを生業にしてるわけでなく、お祈りをして病気の快癒や天候の回復を祈る、祈祷師のようなもの。医者や薬師がいない土地では重宝されてた。


「そっか……そうだよね。ありがとう」


わかってはいたけど、あたしは安堵の息を吐く。ロゼッタさんに裏切られたら、きっとあたしは立ち直れないくらいのダメージを受けるだろう。密かに姉とも慕ってきた、心強い味方の彼女を失えば。


ずっとずっと不安な気持ちを察して、細やかなフォローをしてきてくれた。流砂に巻き込まれて無くなった荷物を一晩かけて発掘してくれた。いつもいつもそばにいてくれて……。


「ありがとう、ロゼッタさん。ずっとそばにいてくれて」

「なんだよ、なごむ。急に!嬉しいけど照れるじゃないか」


ロゼッタさんにばん! と軽く肩を叩かれた。たぶんお腹に配慮してくれたんだろう。


(そうだよね。ロゼッタさんは裏切ったりしない)


彼女の照れたような笑顔を見ながら、そう確信していたけど――まさかもっと深刻な展開になるなんて。その時は思いもしなかった。


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