異世界で帝国の皇子に出会ったら、トラブルに巻き込まれました。

お母さんはあたしの強すぎた力を封印するため、生命力を消耗しきって死んだ……。

秋人おじさんはあたしの運命を変えるため、過去の異世界へ渡ってディアン帝国成立に尽力した。

そして、その血は最愛の人であるバルドへ引き継がれてる。


だけど……。


「バルド……ごめんなさい。あたし……本当にバカだった。何もわかってなかった。自分が持つ力をよく理解してなくて……大したことないって思い込んで。大神様にも言われてたのに……」


怖い、と彼の胸元を握りしめた。勝手に震えがくる。


永霊界で、極光明徳大神に聞いた。あたしは世の王なる者の血縁で、物理的には絶体的な力を使える……って。血縁を通じてるから制約はあるけれど、神と等しい力があるのだと。


あの時は大したことがない話だと、何とも思わなかった。だってそんなの信じられるはずがなかったし、あり得ないって。


でも……


たった3歳で無意識に川の流れを変えてしまえるような。そんな力が本当に目覚めて暴走すれば……


もしかすると、古代兵器以上に危険なのはあたし自身なのかもしれない。


その可能性にようやく思い至った時――闇を狙う奴らの思惑がようやく解った。


奴らの狙いは、古代兵器なんかじゃなかった。あたし自身だったんだ。


「嘘……本当なの? あたしが……あたしがいるから……こうなったなんて」

「和」


バルドは下手な慰めもせず、ただ名前を呼んで抱きしめてくれる。あたしは、この世ですがるのが彼しかないように感じて、ギュッと彼に抱きついた。


これから何かが起きる予感に、胸をざわめかせながら。


< 738 / 877 >

この作品をシェア

pagetop