さよならさえ、嘘だというのなら

「あと須田海斗は、妹をどんな感じで言ってた?」

「そのまんま。常に見張ってないと、何をするかわからないから……って言ってたから、私は精神を病んでるのかなって思った」

松本の想像とわかり
改めて安心する俺。

「颯大はどう思うの?ウサギ殺しの犯人」

「松本はどう思う?」

「ずるいよ。私が先に聞いてるんだから、颯大が先に言って」

可愛い顔でも女子は強し

「俺は……」

俺の考えは……

「須田凪子は犯人じゃないと思う」

ありえないって信じたい。

「松本はどーだ?」

「私は……わかんない」

「お前それはズルいわ」

「だってわからないんだもん」

でた
女子の開き直り。

「カッターナイフが須田さんのポケットから落ちた時は、心臓が停まるくらいの衝撃だったけど、同じ年頃の女の子として言えば……犯人であってほしくない」

だろうね。

「今までこんな残酷で悲しい事件はなかったから、誰も犯人であってほしくない」

「うん」

俺も同じ意見。

そして
きっと
みんな同じ意見だと思う。


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