結婚の定義──君と僕を繋ぐもの──
自分だけでなくレナのことまで週刊誌に載せられ、世間に叩かれる事態になってしまったことに、ユウは酷いショックを受けた。

自分のせいでレナやレナの周りの人にまで迷惑を掛け、心ない世間の目に晒されることが、我慢できなかった。

(どうしてこうなるんだ?!レナは何も悪くないのに…!!悪いのはオレだけなのに…!!)

自分のしてきたことを悔やんでも悔やみきれないユウは、レナに申し訳なくて、どうすればいいのかわからなくなる。

ユウの心の弱い部分が、更にユウを追い詰め、悪い方へ悪い方へと考えを導いてしまう。

レナは自分のことが週刊誌に書かれても、ワイドショーでどれだけ好奇の目に晒されても、それまで通りの姿勢を崩さなかった。

(本当はつらいはずなのに…。きっと職場でも不自由な思いをしたり誰かに何か言われて悔しい思いしてるはずなのに…。)

レナはいつからそんなに強くなったのだろう?

レナを守るのはいつも自分でありたいと思っていたはずなのに、今、レナといて守られているのはきっと自分の方だ。

それどころか、結果的に、自分が一緒にいることでレナを傷付けてしまっている。

(こんなオレ…レナにはきっと必要ない…。レナならもっとレナにふさわしい、いい男がいるはず…。)

レナが仕事に行くと、ユウは一人の部屋でぐるぐると思いを巡らせる。

(オレなんかとは別れた方が、レナはきっと幸せになれるんだ…。)

レナを渦中のひとにしてしまったことで、ユウは自責の念に囚われ、レナとの別れを考え始めるのだった。

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