結婚の定義──君と僕を繋ぐもの──
散々冷やかされた後、ユウはハヤテから手渡された新曲の音源を手にスタジオを後にした。


部屋に帰ると早速ギターを手に取り弦を弾く。

(ああ、久し振りだな、この感じ。)

新曲を聞きながら、ユウはギターを弾く。

久し振りにギターを弾くことが、楽しくてしょうがない。

ひとしきり新曲の練習をすると、ユウはタバコに火をつけひと休みする。

そして、入院中に考えていた歌の歌詞をメモした紙切れを取り出すと、タバコを吸いながらあれこれと思いを巡らせた。

(また、レナへの歌を作ってみようかな…。)

ユウはレナの笑顔を思い浮かべながら、口元をゆるませる。

(医者からOKが出たってことは…!!)

無理をしたらダメ!!と言うレナに触れることを必死で我慢していたユウは、今日こそは!!と、更に口元をゆるませるのだった。



仕事から帰ったレナが、リビングでギターを弾いているユウを見て、パッと笑顔になる。

「ユウ、お医者さんにもうギター弾いても大丈夫って言われたの?」

「うん。」

「良かった!!」

ユウはギターを置いて、嬉しそうに笑うレナの手を引き、自分の膝の上に座らせる。

「えっ?!」

レナは、ユウの膝の上でユウの長い腕の中にすっぽりと包まれながら、驚いた顔でユウを見上げた。

ユウはレナを優しく抱きしめる。

「レナのおかげ。ありがとな。」

「うん。」

ニッコリと笑うレナを見て、長い間抑えていたユウの気持ちが抑えきれなくなる。

(めちゃくちゃかわいい…!!もう、食っちまいたい!!)

ユウはレナをギュッと抱きしめると、レナの柔らかい唇に何度も何度もついばむような甘いキスをする。

レナはユウのキスに応えるように目を閉じた。

(レナ、かわいい…。)

ユウは舌先でレナの舌先と唇をそっと舐める。

「レナ、甘い。」

「えっ?!さっきココア飲んでたからかな?!」

「それだけかなぁ…。すごく、甘い…。」

もう一度ユウはレナの唇を味わうように深いキスをした後、レナの耳元で囁いた。

< 94 / 164 >

この作品をシェア

pagetop