石林(シーリン)三国志

五丈原

この第5次北伐は焦りのためか
今までの西ルートではなく
最短の東ルートを取った。

魏軍も直ちに対陣する。
孔明先鋒魏延の部隊が渡河に失敗、
南岸の五丈原に布陣したまま持久戦になった。

合肥で孫権が撤退。
魏はさらに兵力を増強してくる。
対陣はついに100日を越えた。

孔明は最悪の体調で陣中に臥す。
その命は風前の灯。

『天命、漢帝国の再興を中原の地に。
劉備との契りを果たさねばならぬ』

諸将を集め最後の力を振り絞って
孔明は叫んだ。

「わが天命の石(意思)を誰か、
必ず果たしてくれ!」

瞳「この場面だわ!」
老「急ぎ、その意思を彼の枕元へ」

瞳、諸将のまたぐらをくぐりぬけて、
孔明の枕元へ出る。

武人達は耐え切れずに泣きはじめた。
臨終の間際、孔明の右手が動く。

「だれかにこのいしを・・・・」
かすかにそうつぶやいた時、
瞳は手の石を孔明の手のひらに忍ばせた。

青い石がすっと落ちて消滅した。
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