岡本くんの愛し方








*千尋side*




「すー…すー…」




すずが昨日と今日の事を詳しく話してくれて、
泣いちゃって、そしてそのまま寝落ち…。




すずらしい。




俺自身も、嫉妬とか結構ダサいことしてたし、
あんなにごめんなさいを泣きながら連呼されると
正直、結構心臓に悪い。




「……守れなくてごめんね」




俺がそういうと、届いたのか届いてないのか、
にへっと笑ってまた、寝息をたてた。




そんなすずを見てると、自然と頬が緩む。




すずと付き合うようになってからは、
自分自身でも表情豊かになったと思う。




俺はポケットから携帯を取り出して、遠藤に電話をかける。




『おー、千尋!どう?』




「すずを無理やり走らせるなんていい度胸だね」




『出たよ、惚気ですかー?』




けたけたと笑っている声が聞こえて、
なんだかイライラする。




「明日の放課後、俺部活サボる」




『まじで?どっか行くの?』




「放課後デート」




そういうと、電話の向こうで叫び声が聞こえた。




「うるさいんだけど」




『よっしゃ、サボれサボれ!どーんとサボってこい!』




はぁ…うるさくなってきた。




俺はそれじゃと言って無理やり電話を終わらせて、すずを見る。




杉本さん、だっけ?




絶対許さないからね。









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