岡本くんの愛し方
ひとしきり泣いたあと、千尋くんと私の部屋の中に入りテーブルに向かい合って座る。
「まだ、言えないんだよね…」
「…ごめん、もうすぐ言えるから、待ってて?」
心配そうに見つめる千尋くんが可愛い。
あ…雅ちゃんにも謝っておかないと。
私は雅ちゃんにメールをしていると、
どうしたの?と千尋くんは聞いてきた。
「雅ちゃんに謝ろうと思って…。
千尋くんも…話聞かないで逃げちゃって、本当にごめんなさい。」
メールを打つ手を止めて、深く頭を下げる。
「すずは悪くないよ。」
そう言って頭をポンポンしてくれる千尋くん。
千尋くんの手って、なんだか安心するなぁ。