俺にしとけ
俺にしとけ
ー俺にしとけよ…俺はお前をー

「…亜紀」

光が亜紀の肩に手を伸ばした時
亜紀が重い口を開いた

「知ってたんだ…川崎君が他の女の子と も付き合ってたの」

亜紀の声が震えていた

「私ね、川崎君に一目惚れしちゃってね
勢いで告白したのそしたら、OKしてく れてね。その時は凄く嬉しかった
でもね、付き合ってるうちにどんどん
川崎君がどんな人なのか分かってきて
ね。そしたらそんな時に見ちゃったの
…」

光は手をおろし亜紀の後ろに立って
黙ったまま話を聞いた

「…放課後、他の女の子と手を繋いで
歩く川崎君を…
その時にやっと分かったの、川崎君は
私の事を遊び相手のオモチャだって」

亜紀が泣きながら話した 、光は黙って
亜紀の話を聞く

「私ってバカだよね…オモチャだって
知っといてそれでも、まだ
好きだなんて」

「どうかしてるよね…」

「………」

光は亜紀の言葉になにを返していいかが
分からない
光は亜紀が遊ばれていたことを知っていたから、自分にも責任を感じてしまったから

「ごめんね、光こんな事話しちゃって
私は平気だから、先帰るね」

亜紀が涙をむぐいながら、いい走って
帰ろうとした

そのとき

ードン⁉

光が亜紀に壁ドンをした

「⁉」

「ひか…」

亜紀が喋ろうとしたところをふさぐようにして光が言った

「…俺にしとけよ、俺はお前を
こんな辛い目には合わさないから」

光はそう言って、壁から手を離した

「俺、本当は知ってたんだ。
川崎が他の女と遊んでるって…
でも、楽しそうな亜紀をみてたら
言えなくて…」

光は亜紀に嫌われる覚悟で話した

「そうだったんだ…でも、ありがとう 。
もし、光が私にこの事言ってたら
光の事大っ嫌いになってたと思う」



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