歪な愛のカタチ




『お疲れ様でした、お先に失礼します』


そう言って、席を立つ。


「水嶋さん、お疲れさん」


やっと終わった。


早く、家に帰りたい。


私は小走りになる。


会社を出ようとすると



「水嶋さん!」


その声は、佐々木さん…。


「これ、落としてたよ」


そう私に渡したのは

私のハンカチ。


多分、あの時だ……



『…ありがとうございます』


そう、ハンカチを受け取った。


「今日はすまなかった…」


『……失礼します』



謝られても…傷は残るの。


私の心の傷…



私は小走りに自宅へ急いだ。
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