歪な愛のカタチ




駅に着き


電車を待っていると



「水嶋?」


そう聞こえた


その声は


『翔くん…』


「こんな、朝っぱらから何してんの?」


『あ…帰るとこ…』


「朝帰りか」

そう笑う翔くん。


誰にも会いたくなかった。

こんな私、見られたくない…


けど、黙っていても…


『…翔くんこそ…』


「あ、俺はこれから仕事」

『日曜日だよ?』

「なんか、パーティーかなんかあるんだって」


そう言いながらも、嬉しそう。

翔くんは美容師さん。

センスがいいみたいで、よく出張セットを任せられるらしい。



翔くんが輝いて見えた。
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