明日の僕らは


今が何月何日だとか、
朝なのか、夕方なのかとか、

漠然としたカタチのないものをハッキリと把握することが…

こんなにも難しいことだったなんて。



退屈な病室のベッドの上。
私が一番に目にするものは…虫食いのような模様の天井と、それから。カレンダーと、時計。

それだけは、自覚している。


でも、いつもいつでも…分からない。

『るい』と、いつも誰かが声を掛けてくれるから…一日のどこかで、目を覚ますことができる。

『今日は〇日』と、誰かが教えてくれるから、知ることができる。


でも。

カレンダーをなぞって見ても。

見ても、見ても、

自分のいる『その日』が、どこにあるのか忘れてしまう。


その事すらも、誰かが…教えてくれるのだ。



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