今日僕は魔女を拾いました
そう言われて何も説明しないわけにもいかず、博仁は今、事件の中心である切り裂き魔のことを話した。

しかし、それが人間ではなく魔法を使う犯罪者で魔界の追手がたくさん捜している事実もいうわけにはいかなかった。


「高津さんはこうしている間も気が気じゃないんですよね。
電車の中でまた叫び声があがっているかも・・・とか考えちゃうんでしょう?」


「えっ?」


「何だか早く、帰りたそうなんだもの。」


「いや、今日はもう会社に電話をいれてとくに呼び出されなかったら、勤務終了なんだけど。」


「じゃあ、今日はデートの約束でもあるの?」


「はぁ?!いや、べ、べつに・・・ちょっと家で待ってる人がいて・・・。」


「えぇ!!うそぉ。ざ~んねん!
あ、でも高津さん優しいし、かわいいから彼女がいてもおかしくないか。

私は飯田佳奈美。
槇野女子大学の2回生で湘急電鉄さんには高校生のときからお世話になってます。
ちょっぴり大人の彼氏を大募集中です。

ってことでいい人がいたら紹介してね。」


「ああ。うちの会社は結構真面目な男が多いんだよ。
あ、そろそろこれで失礼するよ。
お母さんが来られたようだしね。」


「はい、今日はお世話になっちゃってありがとうございました。」



博仁は佳奈美の母に簡単に説明をした後、会社にもどった。


電話をいれると、上司が報告をしに来るようにとご機嫌ななめに命令してきたので結局、直帰はできなくなってしまったのである。



(こんな日がいつまで続くんだろう。
人間だったら必ず解決できると思えるのに、今度ばかりは・・・。

ピクリとも動けなくされて、どうしようもない。)


結局はそこに考えが必ずもどってしまうことに苛立ちを覚えながら、帰宅した。



すると、博仁の家がまるで会議室のようになっていた・・・。


「な、なんだなんだ!!」


「おかえり~お疲れ様。勝手にこんなことになってごめんなさいね。
さっき、切り裂き魔の主犯を逮捕したわ。」


「主犯を?あの僕を動けなくした・・・あいつか?」


「そう。潜伏していたアパートで捕まえたのよ。
あとは人間の手先とか魔界のチンピラみたいなのを整理していくだけ。

いろいろと心配をおかけしてごめんね。」


「いや、僕はお客さんや人に害が及ばなくなったのならいいんだけど・・・それだったら君は・・・。」


「うん、魔界にもどるわ。」


「あ・・・そう。」
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