初恋も二度目なら
「小夜ちゃん」
「はい?」
「こいつが“どアホ”って言うのは、ツンデレゆえの愛情表現だから。気に入った人にしか言わないんだよ」
「え・・?」
「じゃあワタシにも言っていいわよ!」
「言うか、どアホ」
「あ!今言ったよ!?やっぱ悠里はユキのことも気に入ったんだぁ」
「そりゃそーだろ。ユキオは俺の義理弟になるんだし」
「・・・は?」
「法的には無理だが、俺はユキと一生一緒に暮らすと決めたから、悠里にも紹介したんだよ」
「まあ・・・!」と私が感嘆の声を上げたのと、ユキオくんが涙声で「ユウくんっ!」と叫んだのは、ほぼ同時だった。

そしてユキオくんに抱きつかれた悠希さんは、ニコニコしながらユキオくんを抱きしめていて・・・。
そんな幸せいっぱいの二人を見ているだけで、私まで嬉しくなって、目に少しだけ涙が浮かんだ。

「ユキオくん、悠希さん・・・おめでとうございます・・・!」
「ありがとぅ。これからお祝いピザ、作りましょうね!」
「はい!」

と言ったそのとき、私の右手は、部長の左手に、そっと繋がれていた。
それが私には、なぜか自然なことのように思えた。

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