初恋も二度目なら
「・・・赤と白か」
「え?」
「服」
「あぁ、はぃ・・・」
「おまえのことだ。縁起の良い紅白色の服着てゲン担ぎってとこか」
「な・・・どうしてそれを・・・!」
「・・・マジかよ」と部長は言うと、ククッと笑った。

「おまえは変わったし、変わってないな」
「な、なんですか?それは」
「おまえの外見は、ますますキレイに変わった。だが、何事にも真っ直ぐな心で愚直に取り組む姿勢は、6年経っても変わってない」
「はぁ。つまりそれは・・・?」

私のことをバカにしてるの?
と思ってしまったから、「安心した」と言った部長のコメントに、なぜか私も安心して・・・。
隣を歩く部長に、ニコッと微笑んだ。

「それに似合ってるよ」
「そ、そうですか?」

なんか部長に褒められると、照れる・・・のはいつものことだった。

私は照れをごまかすように、ハハッと笑った。

「髪も・・・相変わらず豊かで綺麗だな」と部長は言いながら、私の肩あたりの髪にふれている。

部長にドギマギうるさい心臓の音を聞かれないように、私なりに平静を装いながら、「え?あぁはい。でも横は結んでおかないと、ホントに収集つかなくなっちゃうから・・」と言った。

普段はおろか、こーいう時こそ気の利いたことを言いたいのに、どーでもいいことしか思いつかない上に言えない自分が、つくづく情けない・・・。

浅いわよね、私って。

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