バレンタイン戦線異常アリ
2.告白ですか?

 放課後、春香と一緒に駅前のスーパーを訪れる。

二月頭の今、スーパーも俄にバレンタインセールで大盛り上がりだ。
特設コーナーはきゃぴきゃぴした女の子たちでいっぱい。

もちろん私もその中の一人。
バレンタインは戦いだ。チョコレートはその武器。

熱い恋心を伝えるために、渾身の力を込める……っ。


私がこんなに熱を入れているのには、実は理由があるんだよね。

去年は、恥ずかしさが先立って友チョコレベルのちゃっちいのを買っちゃったんだ。

そしてさり気なく渡したら、完全に友チョコ扱いされた。
ホワイトデーのお返しもくれたことはくれたけど、五円チョコだったし。

あれは大失敗だった。
小さいチョコだろうが大きいチョコだろうが渡すときの勇気はおんなじ。

同じだけ勇気を出すなら、本気が伝わるチョコを渡さなきゃ。

それには、こんな既成品なんかに頼っていては無理だ。


「和歌、手作りするの?」

「あ、うん。まあね」


私は製菓用チョコレートに手を伸ばしている。

なんだかんだで、一年半にもなってしまった克司への片思い。
しっかり気持ちを込めて本気チョコを作りたい。


「凄いね、頑張って」


春香が笑う。
さらさらの黒髪が肩のあたりで揺れ、その優しい動きにつられて私まで笑顔になれる。

いつもそう。
春香に応援してもらえると、なんだか凄くやる気が出てくる。

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