私-前編-
解決
「お…おひさぁ…」
ナツは作り笑いをしながら言った。
「………」
ケンは何も言わずにナツの元へと近付き優しく抱き締めた。
ナツは涙を流しながら、少しずつ話し始めた…―
レイプされた事…
汚れた自分が嫌で仕方なくてケンと別れようと考えた事…
死のうとした事―…
そして…
レイプした奴が亜美の知り合いだったと言う事―…
「えっ?」
その言葉にケンの顔色が変わった
「え……?」
ナツには意味がわからなかった。
「亜美のツレ?」
「よく知らんけど、亜美の知り合いって言ってた…」
「そっか。
…辛かったな。…辛かったやろうけど、ちゃんと話してくれて良かったわ」
「…うち‥ケン君の傍に居ていいん?…汚れてるで?」
「ナツは汚れてない。
これからは俺がちゃんと守ったるから。…俺の傍から離れんなよ!」
そして優しくキスを交わした―…
全て解決した―…
いや…
これは嵐の前の出来事にすぎなかった―…