私-前編-

遠い存在


私は夢を見た―…



夢の中で小さい頃の私とアキが公園の砂場で仲良く遊んでいた。


そこに一人の女の人が現われて、アキを突き飛ばした…


アキが居た所はアリ地獄のように砂場が沈んでいって、アキが砂場に埋まっていく―…


―……イカナイデ‥―




「……み…っ……亜美!!」

―…誰かが呼んでいる―…


そこで私は目が覚めた。


『な……ナツ…?』



ナツは涙目になりながらも優しく手を握ってくれていた。


「丸2日寝ててんで!!」

ナツが目を真っ赤にしながら言った。


『寝ぼすけなんは前からやん』

私はおどけてみせた―…



「もぉいいよ……うちの前では無理せんといてや…」


私はその言葉を聞いた瞬間、何かがはち切れたように泣いた……



ナツは私の頭を撫でながら「辛いよな…」って言って一緒に泣いてくれた―…



泣き疲れて私はまた寝てしまった。



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