しょっぱい初恋 -短編集-
3と2の暗号





「-―何これ……」




俺は今、得たいの知れない飲み物のようなもの(多分)をひかるに差し出された。


というか、明らかに色おかしくない?

何でこんなに濁ってるの?

明らかに飲めそうにないソレに俺が「何これ?」と言ったのは、至って普通の反応なはずだ。


なのにコイツはと言うと、




「ん? いや、ストロー無いからあげる」




……。




「はっ?」




という返事をした。


え、ちょっと待って。

お前はペットボトルなのにストローで飲むの?

なんかズレてない? (今更な気もするが…)




「あっ! それじゃあ、次移動教室だから…バイバイ!」

「は、え…? ちょっ、コレはどうす………」




言い終わる間も無く、ひかるは自分のクラスへと行ってしまった。

そんな彼女にハァ……とため息が出る俺。


正直、彼女はよく分からない。

行動が読めないのだ。


この前なんか……



『元ぇぇぇー!』

『んー……』

『喰らえー、弁慶アタァァック!』

『ぎぃやあぁぁぁぁ‥!!』




と、まぁこんな事があった。

本当にアイツには困ったもんだ……。

まぁ、面白い奴とは思ってるが。


また明日の昼休みに何かを仕掛けてくるであろうひかるの奇行を想像しながら、席に座る。

ふと、机の上に置かれた物を見つけて…。




「ストロー………あるじゃん」





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