さあ、愛される覚悟を・・・
「卒業するまでに凜が気づかない時は、力づくでもモノにするつもりでした」
「はい?」
「ま、既成事実ってヤツ?」
遼はまたニヤリと口角を上げて、呆然としているあたしにチュッと触れるだけのキスをした。
「…これは二人に、オレからのお祝い」
スッと二つのカクテルグラスが前に置かれて、あたしはここが行きつけのショットバーであることを今更のように思い出す。
「あ、あぁ、あのごめん、タケルさん」
「何が?」
「ち、秩序を激しく乱した気が」
あわあわと焦ってそう言えば、タケルさんと遼が同時にブハッと噴き出した。