キミだから・・・
大地side
日愛を追いかけて、通りにさしかかった時だ。
俺の目にはいったのは、5人の男に
絡まれている女だ。
あの女.........日愛!!!
日愛はもう諦めたのか、抵抗もしないで目をつぶっている。
「日愛!!!」
名前を呼んでも気づかない。
とりあえず、こいつらを離さねーと、
「お前ら......その手...離せよ.........」
「ああ?んだ.........あ、はい......
おおお前ら行くぞっ」
「「「「はいっ!!!」」」」
おいおい......少し睨んだだけなのに、
逃げちまったよ......そんなんでナンパなんてよくするな......
今はそんなことより......日愛だ...
「おいっ 日愛!しっかりしろっ」
日愛の肩を揺すると、やっと目を開けた。
その目には涙が浮かんでいる。
「...だ......いち......?」
その声の細さに俺は思わず日愛を抱きしめた。