バレンタイン*少しの勇気をください。
「えっと、薔薇野百合です」
この人もあたしの名前を聞いて、姉と比べるのかなと思うと一気に気持ちが萎んだ。
「いばらの、ゆり…。
薔薇野さんか」
そうあたしの名前をつぶやくように復唱すると、あたしの手をぎゅっと握ってきた。
「俺の名前は、東雲優。
…仲良くしてくれると嬉しいな」
後半はユキちゃんみたいに、頬を赤らめ斜め下を向きながら自己紹介してくれた。
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