オレンジ。~星空の下で。anotherstory~
「…おおきに、梶山。」

「…葵。」

「へ?」

「あたしのこと、
葵って呼んでよ。
いつまでも苗字じゃ堅っ苦しい。」

「…じゃあ、葵。
俺のことも千洋でええ。」

「うん、わかった。
…で、告白したんだから
返事くらいちょうだい。」

あれは告白だったのか。

「…はずいから言わん。」

「もう、
あたしだって恥ずかしいのに。
…ずるいよ。」

「…わーった、言う。
…てか、俺は一年のときから
葵のこと好きやったし。」

「嘘!?」

「ホンマ。
…これ以上は言わん。寝る。」

俺は布団をかぶった。

葵は布団をまた引き剥がして
「…なんだ、あたしたち
両思いだったんだ。」と言った。

「…せやな。」

「そっか。
…改めて、よろしくね。」

「…ああ。」

こうして、晴れて
俺たちは付き合うことになった。

今思えば、少し不謹慎かもとは思うが。

これも成り行き上、仕方がない。

それに、瑞穂は笑って
許してくれているような気がして。
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