オレンジ。~星空の下で。anotherstory~
改めて、ロビーで話す。

「せや、昼間のところで
プレゼント買うたんや。
俺とおそろいやで。はい。」

「わぁ、いいの?
ありがとう!
お揃い、
持ってみたかったんだ。
大切にするね。」

「あぁ。」

葵はとても嬉しそうに
ニコニコしながらストラップを
眺めている。

俺は無性に葵に
ハグしたくなって、
思わず抱きしめてしまった。

「千洋……。」

「なんや、嫌なんか?」

「ううん、嫌じゃないよ。
嬉しい……。
ねぇ、キスしたい。
……だめ?」

「こんな所でか?
ロマンのかけらも
あらへんな。
……まぁええけど
ほっぺにチューぐらいなら。」

「えへへ……
私からして
みたかったんだ。」

葵はそう言うと軽くほっぺに
チューをくれた。

「これからもよろしくね。」

「あぁ。」

こうして、
最後の夜は更けていった。
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