S.U.K.I
目が潤んでいくのが分かった。
あの時の潮の匂いまで思い出せそうなくらい鮮明に頭に広がる、あの海。
行きたくない……行かない……。
たくさんの思い出を吸い込んだ、あの白い砂浜にもう一度立つなんて、と思った。
また、秀が抱き締めてくれていたのに、それすら分からないくらい私の頭の中は、いっぱいいっぱいだった。
背中を擦りながら優しく優しく、背中に『大丈夫』って書いてくれた。
『大丈夫、俺がいるから。』
って。
一生懸命、ずっとずっと。
私は、もう堪えきれなくて、泣いた。