S.U.K.I



「ほれ、これおやつに食いな。」



さっきまでうるさく言っていたお母さんが紙袋を差し出す。



「なぁに?コレ?」


「3時になってのお楽しみだから!ほら、還梨ちゃんと中ちゃん待たせたらダメでしょ?!」


「はいはい。」


「はいは、1回!」



そう言って振り下ろされたお母さんの手は私のおでこに当たった。



「いってきます…!」


「ははっ、煌のお母さんらしいよね?」


「だーねっ!」



私が叩かれたおでこを擦り不機嫌な顔で引き戸を閉めると、還梨と中ちゃんがにこりと笑った。



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