クールな先輩の心を奪う方法
「…よし、出来た…と、思う」
半信半疑のまま、書類を確認しようとしたら、それを、誰かが奪い取った。

「…保田…さん」
「…」

私を尻目に、保田さんは書類を確認していく。
…この間が、非常に怖い…重い。
この場から、少しの間でいいから、逃げたい。

私はソロ〜っと、その場を離れようとした。
「佐々木!」
「はい‼︎」
…恐る恐る振り返る。

「次はこの半分の時間で仕事を終わらせろ」
「…へ?」
言葉の意味が理解出来ず、キョトンとする。

「…書類は出来た。さっさと帰れ」
「は、はい‼︎…お、お疲れ様でした」

冷たい眼差しに耐えられず、私は逃げるように、オフィスを後にした。

会社を出た途端、私は足を止めた。

「…怖かった」
…でも、保田さんの事、好き。
完璧な片想いだけど…。
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