クールな先輩の心を奪う方法
「…美雨と、何を話してたんですか?」
2人で歩きながら呟いた。

「…佐々木に、きっぱり断られたんだ」
その言葉に足を止める。

「…なんでてすか?美雨が断る理由なんて、ないじゃないてすか…
安藤さんは、素敵な人なのに…」

そう言って俯くと、私の目の前に来た聖は、私の頭をポンと軽く叩いた。

「サンキュ…そう言ってくれるのは、梓くらいだよ」
聖は優しく微笑んだ。

「…でも、佐々木は断る理由がちゃんとあるんだ」
「…」

「あいつには、好きな人がいる」
「…え」
初耳だった。美雨は、そういう話、全然してくれないから。親友なのに、大事な事は何も…

いつも1人で抱え込んで、放っておけない。無理ばかりする美雨が心配で…。

私は美雨が大好きだ。前向きで一生懸命な美雨が大好き。

だから尚更、その事を聞いて、ショックだった。
< 73 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop