クールな先輩の心を奪う方法

車を駐車場に停め、美雨の部屋に向う。
…丁度そこに、聖がいた。
チャイムを鳴らそうか、悩んでいるようで、ドアの前で立ち尽くしていた。

「…安藤」
「…⁈…保田さん、なんで」
俺が今ここにいることに驚いてる。

「…自分が招いた誤解は、自分で解くから。…だから、安藤は帰ってくれ」
「…梓に聞いたんですか」

「あぁ…安藤」
「…はい」

「…俺がいうのもなんだが、安藤はもっと周りを見た方がいい」

「…どういう意味ですか？」
「安藤の事を見守ってるヤツが、いるって事」

「…やっぱ、意味わかんねえけど…。
…保田さん、佐々木の事、絶対、泣かせないでくださいよ」

「…わかってる」
俺の言葉に納得した聖は、その場を去った。

…一呼吸おいた俺は、チャイムを鳴らした。