光り輝く命~救ってくれたのは君だった~
「里奈、痩せたか?」

兄がたずねる。

「平気平気」

里奈は可愛らしい笑顔を見せた。

しばらく他愛もない話をしたあと、

里奈は笑顔で手を振り帰っていった。

あたしはなんだか胸騒ぎが止まらない。

「里奈、元気そうでよかったな」

兄はほっとしたような顔をしていた。

「そうかな……」

あたしは家に帰ると部屋に閉じこもった。

胸騒ぎが止まらない。

里奈……大丈夫だよね?

そのとき部屋をノックする音が聞こえた。

「夏菜、大丈夫か?」

父はあれから、

あたしのことを気にかけてくれる。

「大丈夫だよ。

ちょっと風邪ひいたみたいだから寝るね」

あたしは布団に潜り込んだ。




里奈がうちに来る予定の一週間前だった。

放課後あたしの携帯が鳴った

確か、このときの着メロは

宇多田ヒカルの『SAKURAドロップス』。

〈着信 祐介君〉
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