春はキミ
「おめでとうございます、今週末退院できますよ」

スッと目を細めて笑う先生は、とてもかっこよかった

「今回は少し長かったでしょう
家でゆっくり休んでください」

本当に今回は長かった

4ヶ月なんて

やっと退屈な日々が終わるのね

「やったーーーーー!!」

嬉しそうに部屋を走り回る秋乃

私よりも喜んでくれている

あぁ、なんて幸せなのだろう

「夏休みが明けたら学校にも行けますよ」

先生の言葉が痛い

学校に行っても友達はいない

四月から入院をして

やっと中学二年生になって

クラスも変わって

新しいスタートなんだと思ってたのに

夏休み明けから学校なんて…

「ただし!決して無理はしないこと!
体育祭があると思うけど、先生には言っておくからさ
友達を一生懸命応援してやってね
あと、絶対走らないで
走ったら病室から出られないと思ってね」

さり気なく脅してくるのは、先生がドSだからだと思う

言われなくても走るつもりはない

今年もきっと、友達のような他人の応援をするんだ

家に帰るのは嬉しいが、学校に行くとなると気が重くなった
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