Treasure
クラスからは、ヒュウーっとしたヤジが飛ぶ。
全員が、こっちを向いている。

あたしが呆然とする中、追い討ちの様にHR終了のチャイムが鳴る。


「じゃあ女子は遠野な! 
 ええ奴拍手!」



パチパチパチパチ――


「委員の2人は今日の放課後集まりあるから、1年2組に行くように!」


……は?

は? は? は?

何勝手に決めてますの?
状況についてけないんですけど?
ちょっと待ってよカッパ!
いや、カッパ様!
きゅうりあげるからぁ~!
大きな大きなきゅうりあげるからぁ~!
もう1回やり直しません!





ガラガラガラ―――



先生の残していく、ドアの音が鳴った。
超虚しい音だ。

いつもでは、授業が終わったと、喜ぶ幸せの音。



だがそれは、今のあたしにとって、死の宣告を言い渡す、悪魔からの音のように聞こえた。


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