Treasure
あたしは何も考えずに、トボトボと通学路を歩く。
自宅から学校まで、徒歩15分。


只今の時刻、7時40分。


後ろから、あたしを呼ぶ、聞きなれた声。


「ゆーちゃぁあん!」


高い声。
苺だ。

あたしテンション低いのに…
いーちゃんのテンションに合わせろと?
頭痛い…。


「ゆーちゃんおはよ★」

「おはよいーちゃん」

「どしたんゆーちゃん、テンション低いなぁ」

「頭痛いねん。あたしが低血圧なん、いーちゃん知っとるやん…」

「あ、ごめん。声大きすぎ?」


えらいよう分かってはるやん?
気付くん遅いよ。


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