重い彼女…
『私ね、すごく女グセの悪い彼氏がいたの…』

『うん。』

私はさらにつづけた

『浮気ばっかで、私のことなんて、暇つぶし道具とだけしか思ってなかったとおもう。』

目の奥があつくなって、涙が滲んだ。

和人は、だまってきいていた。

『私はそれを全部しってた。浮気のことも、愛されてないことも、全部全部わかってた。』

涙がつぎからつぎへと落ちて、テーブルを濡らす。


『それなのに…っ最低な男だって、自分がよくわかってたのに…私はそれでもあの男を愛してた。大好きだった…でもある日、「お前の事は最初から好きじゃなかった。」って彼氏からゆわれたの…』

和人の背中がかすかにふるえていた。

『そのとき、頭が真っ白になって、きずいたら彼氏をどなってた。「愛してたのに!だましてたの!?私だけをみてよ」って…そしたら彼は、私を汚い物をみるような目でみおろした…そして、悔しくて外へとびたした…私って重いよね笑本当気持ち悪い…』

私は泣きながら笑った。


終わった。もぅこれで、和人は私のこと気持ち悪い女だとおもったよね…

顔をあげ、和人をみると、下をむいて、静かに泣いていた。

なんで和人がなくの?

『かず…と?』

その瞬間視界がまっくらになり、

あったかさとムスクの香りにつつまれる。

『つらかったな…おまえは何も悪くない…何もまちがってない…』

私は和人の に抱きしめられていた。

『…っ』
何もいえず、涙があふれる。

『重くなんかねぇ!…お前は人を愛しただけだ…なにも気持ち悪くなんてない…!あの男が、愛をしらなかっただけだ…』

『か…ずと…っ』

そんなふうに言ってくれるなんておもってなかった。

『なぁ…おれじゃだめか?おれはちゃんと加奈を愛することができる…俺、初めてお前とあったときから、ずっと気になってた。おれ、お前のことがすきだよ…』

さらに腕の力がつよくなる。


『私も…っ私も和人がすきだよ…』

するとかずとは、私の体から手をはなし、今度は私の頬を流れるなみだを指でぬぐい、微笑んだ。


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