キミと見た、あの空を。


学校に1番近い駅で降りて、学校に向かう。


本当は自転車に乗り換えるんだけど、今日は道を覚える為にも
歩いて行く。

迷わないように、ちゃんと地図を持ってきた。
だからさすがに、迷うなんてことはない!!




…はずだったんだけど。








「ここ、どこ?」




おかしいなぁ。地図をちゃんと見たはずなのに。
なぜか周りは、田んぼばっかり。人は、いない。
あたしってもしかして、方向音痴??


ど、どうしようか。



「…とりあえず、歩いてみよう。」


じっとしててもしょうがないしね!


どんどん、道を進む。
ふと、時間が気になったので時計を見ると…



「げッ!7時50分…!」



うわ!どうしよ。
新入生は確か、8時5分に行かなきゃ悪いんだよね…


とにかく!人に会えればなんとかなるはず。


そう思って、周りを見渡してると…



「…ん?」



前から、自転車が猛スピ-ドで来る。
よく見たら、同じ高校の制服だ!!

た、助かった~…



と思ったんだけど、自転車はあたしの横を
過ぎ去っていった。



「あ、ちょっと、まっ…」




すると「待って」、という前に、自転車が急停車して、
自転車に乗ってる坊主頭の男の人が、ぱっと振り返った。
あ、イケメン。見た感じでは、先輩かな?すごく背が高い?





「乗って。」




「…へッ?」



あたしまだ、何も言ってないよ?




「迷ってんじゃないの?違うなら俺、急いで…」




「ま、ま、ま、待って下さい!乗ります、乗ります!」



そう言って、あたしは自転車に股がる。




「ちゃんと掴まって。ぶっ飛ばすから!」




「えっ!?」



あたしは戸惑いながらも、男の人の背中に掴まった。

よく分かんないけど、とりあえず良かった…


< 5 / 25 >

この作品をシェア

pagetop