本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
頰の痛みがまだ引かない。
このままの状態で席に戻るのはちょっと勇気がいる。
鏡を見ればいい具合に手形らしきものがうっすらと・・・・
「マンガみて~」
ここまでくると笑うしかない。

俺はトイレの入り口横にもたれかかると天井を見上げた。
はっきり言ってもてる方だ。
会社でも女子社員や派遣社員から告白されたりした。
なかにはかわいい子も美人もいた。
でもどれも答えはNOだった。
一時は俺のゲイ疑惑までも飛び交うほどだった。

ここまで来ると病気だよね。
それをかき消そうと一夜限りの後腐れないセックスをした。
もちろんそこに愛情なんかなかった。
単なる性欲処理だ。

こんな事いつまで続けるつもりなんだろうと
見知らぬ女の寝顔を見ながら深い溜息を何度吐いた事か
俺絶対まともな結婚出来ない様な気がする。
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