本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
小牧くんが私の隣に座った。
3人掛けのソファーなのにぴったりと寄り添うと私の左手に指を絡ませ、自分の膝の上に手を乗せた。
顔を覗くように見つめると目を細め口角をぐっと上げるその顔は私のよく知ってる小牧君だった。
「なんか夢みたい」
「なんで?」
「だってこんな日が来るなんて思ってもいなかった。小牧くんは私よりもっと素敵な女性と結婚してると思っていたから」
小牧くんは首を横に振った。
「それなら俺だって一緒。杏奈はきっと素敵な奥さんになってるのかもしれないって思った。もしかしたらつっちーとってことまで考えた。もちろん怖くて確認できなかったけどね」
私が城田さんと小牧くんの事を勘違いしていたように
小牧くんも私と同じ様に勘違いして苦しんでいたとたと思うと胸が苦しくなる。
「ごめんなさい」
「え?」
握った手に力が入る。
「辛かったのは私だけじゃなかったんだなって……」
握られた手が離れたかと思うと私の右肩をぐっと自分の方に引き寄せ私の頭に自分の顎を乗せた。
「もういいんだ。これからまた始まるんだから・・・それに杏奈が俺以外の誰のものにもなってないって事わかったから」
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