君と春を
「冬瀬さん、佐原優也が見つかりました。」
「……っ!どこ…に……?」
「実は……。」
捜査官の表情と言葉は妙に歯切れが悪く、不安を煽る。
「あの…?」
「…実は夕べあなたの高校の校舎に不審者が侵入しまして…。屋上から…自殺しました。」
「自殺…?あの、なんの話を?」
心臓がドクドクと煩い。先を聞くのが怖い。
「若い男で…その…あなたの名前を呼んでいたそうです。
………佐原優也です。」
「………!?」
何の話をしているかわからない。
優也が自殺…!?
なんで…そんなこと。
「そして…実はご家族のご遺体から刃物による傷が見つかっていたんです。」
「っ……!」
「致命傷ではありません。
それぞれ足を…刺されていました。
恐らく…逃げられないようにするためでしょう。」
「……………」
寒気がする。声が…遠くから響いているようだ。
「そして、自殺した佐原優也。
彼の胸ポケットからから血痕のある折りたたみ式のナイフと…
携帯にあなたのご家族の写真が残されていました。」
「しゃ…しん…?」
頭の中がフリーズしたように思考停止してる。
「恐らく…いや、ほぼ確定ですが、佐原があなたのご家族を………
殺したのでしょう。
写真は刺した直後と思われます。放火の痕跡もみつかっています。
あなたとの関係を断たれた逆恨みによる犯行と思われますが……何の為に写真まで撮ったかは不明です。」