ヒカリ
「…行く?雪のあるところ。」

泉水の言葉に、え?と顔を上げる。

「恵玲奈が行きたいなら一緒に行くけど。」

泉水は私の目を見て早口でそう言い、言い終えると私と反対の方向に顔を向けた。


雪のあるところ。

それはなんだかものすごく遠い場所のように聞こえる。
遠くて、とてもきれいな場所。



「日帰りで…行ける?」

まるで迷子の子どもみたいに、心細い声が出た。
私は一体、何に怯えているのだろう。

泉水は私の顔を見て、あきれたように眉を上げた。

「当たり前だろ。」

それから、にやり、と笑って、

「あ、恵玲奈、お泊まりしたかったんだ?うわー、やーらしー。」

と言った。



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