こころチラリ
いつもと同じ。

ある街のある場所に、地味にひっそりと。
そこにあるのが当たり前、だけど誰の目にも止まらないかも知れない、小さな野花のような存在。


・・・ううん、野花なんかじゃない。

雑草。若しくは枯葉、ぺんぺん草レベル。



それが、あたし。


瀧本美波。


田舎生まれ田舎育ち、パッとしない顔立ち、中肉中背、モブキャラみたいな存在。

地味なりに社会人として最低限のメイクをして、普通のOLとして平々凡々の毎日を過ごしている。


仕事も無難な事務職。
誰にでも出来そうな仕事しか回ってこない、言わば雑用係。


それでも、毎日人に何も言われないように気を使い頑張っている。


職場の綺麗な女の子達から陰口みたいに言われているあたしのあだ名は「地味子」。


でも、文句なんかない。

本当の事だから・・・。


地味で何が悪いの?
着飾って綺麗にしてたら仕事しなくても許されるの?


違うよ。


あたしはおばあちゃんのために働く。
働かなきゃ大学まで行かせてくれたおばあちゃんに、親孝行ならぬおばあちゃん孝行できないもの。


陰口なんか平気。


言われているのは本当の事なんだから、、、。



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