生意気毒舌年下男子







「そういえばさっき、コンビニでどうしたの?
いきなりしゃがんだから、驚いちゃったよ」

「ごめんごめん。
あれ、俺も驚いたからさ。
まさかあの話しているとは思わなくて」




あの警察の人が話していた話なら、聞いたことがある。

一時期新聞にも載っていたほど、有名な話だったから。




でもまさか、

あの万引き犯の少年が、




早乙女くんだったなんて。

当時のあたしは信じられなかったよ。







「だから久遠先輩たちに色々言えたんだね」

「俺と同じ過ちを、犯してほしくなかったから」

「優しいんだね早乙女くん」

「…前の俺だったら、流していたよ。
幸来に会ってから、俺は変わっているよ」





ふわふわふわふわ、雲のような会話。

でもそろそろ、地に足を付けて会話しないと。





「聞いても良い?早乙女くんの…過去」

「……1度しか言わないけど、良い?」

「うん」




早乙女くんはさりげなくあたしの手を握り、話し始めた。






< 112 / 137 >

この作品をシェア

pagetop