生意気毒舌年下男子

「恥ずかしくないのなら呼んでも良いでしょ？
そういえば、早乙女くん下の名前何て言うの？」

「どうでも良いこと聞くな」



ふぅ、と溜息をついた早乙女くんは、不機嫌そうに腕を組んだ。




「何でそんなに不機嫌そうなの？
もしかして、緊張とかしているの？」

「そんなわけない」

「じゃあ何で？」

「関係ないだろお前には」

「関係あるよ。
だってあたしは、早乙女くんのお隣さんだもんね」

「関係ないし。
大体お前、俺のこと知らないだろ」

「知らないよ。
だから色々聞くんじゃない」

「…疲れた」

「え？」

「お前と話すの疲れた。
もう俺に話しかけるな。
お前の馬鹿が移りそうで、怖い」




はぁ、とさっきよりも大きな溜息をつく早乙女くん。

馬鹿が移りそうとか…酷いこと言うなぁ。





「まー良いや。そろそろ電車来るしね」




その直後、『電車が参ります』と放送がはいった。




電車に乗りこむ。

相変わらず人は多くて、おしくらまんじゅう状態だ。