生意気毒舌年下男子
「今まで馬鹿は沢山見てきたけど、アンタ以上の馬鹿は初めて見た。
そう言っているんだけど…聞こえた?
アンタの耳は休日か?」
スラスラ言われ、思わず顔をしかめた。
何?
何なの?
何であたし、こんなに馬鹿にされているの?
「ほら、遅刻するんだろ。行くぞ」
スタスタと出口へ向かって行く早乙女くん。
あたしは追いかけ、その襟を思い切り掴んだ。
「ちょっと待って、アンタ何年?」
「1年だけど」
「1年?
じゃああたしの方が年上じゃない。
年上は敬うのが人間として当たり前じゃない?」
「敬う?
へぇ、馬鹿のくせして、敬うって難しい言葉知っているんだな。
でも、俺は敬う気なんてないから」
「はぁ!?
年上には敬語を使うのが当たり前でしょ?」
「誰が決めた?」
「え?」
「誰が決めた?
年上には敬語を使いましょうって。
誰が決めたのか、今すぐ俺に答えてよ。
そうしたら、俺もアンタに敬語使うから」
誰が決めたって、そんなこと言われても…。
知らないし、そんなの。