生意気毒舌年下男子
第4章

複雑な君 二瑚side









☆☆☆




俺は幸来を、家に連れてきた。

誰もいない。

静かすぎる家に、幸来は驚いていた。





「何をそんなに驚いているんだ?」

「いや……」




静かなのに驚いているわけじゃない。

幸来が驚いているのは、生活感のなさだとおもう。





俺の家には、何もない。

台所には前に住んでいた人が置いて行った冷蔵庫や電子レンジなどがあるけど。

リビングには、椅子が2つと、テーブルがあるだけ。

テレビやソファーなんてない。




「俺の部屋、おいで」




と言うけど、俺の部屋も何もない。

机と布団だけ置いてある。

ベッドは前はあったけど、引っ越す時に邪魔だから捨てた。

だから今、俺は敷布団で寝ている。




幸来はキョロキョロ辺りを見渡しながら、床に座る。

俺はその間に、この間ナポリタンを拭いた雑巾を拾い上げ、ごみ箱に捨てた。

腐ったナポリタンを拭いた雑巾なんて、使えない。






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